2009年1月25日12時10分頃、長野県白馬村の八方尾根上部の無名沢にて、山スキーのグループ4人の内、1人が雪崩に巻き込まれる事故が発生しました。当時の様子を事故当事者に、また翌26日にJAN 会員が現地調査をしてきましたので、報告致します。
<事故概略>
発生日時 : 2009年1月25日(日)12時10分頃
発生場所 : 八方尾根・無名沢(長野県白馬村)
発生時天候: 雲量6-8(BKN)・降雪なし・西風
雪崩種類 : 面発生乾雪雪崩
雪崩規模 : size 2.5~3
斜面方位 : 北東
破断面
標高 : 2250m
斜度 : 35度
厚さ : 50cm
幅 : 確認中
弱層 : 降雪結晶
※破断面プロファイルはSPINを参照のこと。
行動概略:
4人(スノーボード3人、スキー1人)で入山。2361ピークから下部にある木のバンド帯(第1セクション)まで滑走し、リグループ。次に、その下部の第
2セクションを、まず1人が滑走し、やや地形が盛り上がり、樹林のある安全地帯と考えた場所で停止。第2滑走者が斜面に入り、ノール地形に近づき、斜面全
体が見えた時には、既に破断面は出現しており、雪崩は流下の最中であった。
雪煙が収まった後、下部で待っている仲間(第1滑走者)がいないことに気づき、ただちに捜索に入る。雪崩の規模から、この時点で警察に一報を入れる。
雪崩に巻き込まれた第1滑走者は、標高1600m付近で、手のみが雪面に出た状態で埋没。発生から15分ほどで掘り出し、保温に努め、約1時間後に到着し
たヘリコプターにて病院へ搬送された。右足や骨盤骨折などの重傷。
ゲレンデトップから二時間の歩行で
ドロップインできるお手軽な沢
とはいえ、お手軽=安全といかないのが悩ましい・・・
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1月23日午後零時半ごろ、茅野市郊外の車山高原スキー場の立ち入り規制区域で雪崩が発生した。現場近くにスキーの滑走跡があったため、茅野署やスキー場のパトロール隊員らが捜索したが、巻き込まれた人はいなかった。
同署によると、雪崩は車山頂上(1、925メートル)近くの標高1910メートル付近で発生し、幅約80メートル、長さ約90メートルの規模で崩れた。 署員やパトロール隊員ら約30人が捜索用具のゾンデ棒などを使って午後4時半ごろまで、巻き込まれた人がいないかを確認。スキー客のほか、周辺の宿泊施設 にも行方が分からなくなっている人がいないか呼び掛けた。
同スキー場によると、利用客から「コースに雪が流れ込んでいて滑りにくい」との苦情があり、パトロール隊員が見回って雪崩を確認した。現場区域は、急斜面で岩が雪から露出している個所もあって危険なため、ロープを張って立ち入りを規制していた。
付近の積雪は約1メートルで、22日夜から23日未明にかけて10センチほどの新雪が積もったという。この日のスキー場の最高気温は約7度、最低気温も約零度と前日までの寒さが緩み、同スキー場は「表層雪崩が発生した可能性もある」としている。
同スキー場によると、1965(昭和40)年の開業以降、これほどの規模の雪崩は初めてという。(信濃毎日)
場所によっては岩が露出しているので、
深さ1m近く雪崩れた様子
幅80m、長さ90mの雪量ってものすごそう
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〓救助中に200m滑落、遭難男性死亡…北海道・積丹岳〓
読売新聞 北海道積丹町(しゃこたんちょう)の積丹岳(1255メートル)でスノーボード中に遭難した札幌市豊平区の会社員藤原隆一さん(38)を1日正午頃、道警の山岳救助隊が発見。
藤原さんの意識がもうろうとしていたため、5人の隊員が交代で抱きかかえて下山していたところ、藤原さんと3人の隊員が雪庇(せっぴ)を踏み抜き、約200メートル下に滑落した。 3人の隊員は自力ではい上がったが、藤原さんが自力で歩けなかったため、残りの隊員が藤原さんを救助用のソリに乗せて急斜面を約50メートル引き上げた。
ところが、隊員交代のため、ソリを近くの樹木に縛って固定したところ、樹木が折れてソリが滑り落ち、藤原さんは再び行方不明となった。 当時は降雪で視界が悪く、救助隊は捜索を中断。2日朝から捜索を再開し、午前7時40分、標高約1000メートル付近の斜面でソリに乗った状態の藤原さんを発見、札幌市内の病院に搬送したが、死亡が確認された。
道警の発表では、藤原さんは仲間2人と先月31日に積丹岳に入り、頂上付近からスノーボードをしていたがはぐれたため、無線機で頂上付近にビバークすると連絡していた。救助隊は1日朝から捜索し、同日正午頃、頂上付近の尾根筋に倒れている藤原さんを発見した。
救助中に滑落事故が起きたことについて道警は「限られた人数の中で、やむを得ない判断だった」としている。
■これはいつまでももめそうな事故